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それゆけ!カンガルーアノラック奮闘記 その1

JMWを2019年を始めた時に作りたいプロダクトが2つあった。一つはチタンのクッカー。当時の僕が影響を受けていたチタニウム・ゴートやアンチグラビティ・ギア、トレイルデザインなどのローカルメーカーは絶対と言っていいほどロゴ入りのチタンクッカーを販売していた。前職のシェルターメーカーでも立ち上げ当初にはチタンクッカーを少しだけ販売していた。1年ぐらい販売していたのかな?(ちなみにそのチタンクッカーの容量はBPL550と同じ550ml!ハンドル付きのスタンダードなタイプのクッカーだった)
そのチタンクッカーは僕が参加してからは本業の製作で回せるようになってきたのと、食器を輸入する際の食品衛生法規制などの手続きの煩わしさもあり販売をやめてしまった。UL創世期では大き目に映ったけれど、使い易い容量だったけ残念だったな。あとクピルカっていう木とPPを混ぜたコンポジット食器も日本で最初に入れてた。後から色々なところが扱い始めて止めてしまったけど。今はどこが代理店なのかな。A&F?モンベル?

ミシンで稼ぐガレージメーカーとはいえ、輸入商材を販売するセレクトショップ的なムーブを間近で見ていたからJMWは最初から海外からの資材調達や商材を扱う事を考えていたんだ。

そんな大好きなアメリカのガレージメーカーや前職の業務を外から中からと見ていたから、自分でブランドを始めるならばロゴを入れたチタンクッカーはやろうと思っていた。(よくある陶器のマグカップもやりたかった)

メーカー立ち上げ直後は資金的にもマンパワー的にも貧弱であり、そういったミシンなどの実労働とは別の、名入れプロダクトの売上というのはメーカーを運営していく上で貴重な財源にもなるのだ。

しかし、JMW立ち上げ当時の僕はチタンクッカーでは無くミニトラ命だったし、沢登りや源流釣りの時はビリー缶やシエラカップ、ULハイキングの時はブッチの小さなアルミ製のカップを愛用していたのだった。

(奥:スノーピークSP450にT's Stoveの専用チタンリッド 手前:ブッチカップにシリコンバンド)

自分が使っていない物にロゴをプリントして販売する事はJMWでやりたく無いし、巷に溢れる、それ作る必要ある?みたいな頭数合わせみたいなプロダクトにも辟易していた。

Tシャツなどのプリントプロダクトには興味が無かった。相棒のジェリー鵜飼とJUN OSONという最高な絵描きが側にいるのに!2人にお願いすれば良いデザインのTシャツが作れるのに、カッコつけてしまう悪い癖。いや、パンク精神。そして人気のあるサコッシュは僕自身が使わないから作れないし、お財布も山ではジップロックで良いと思っていたから(かなり昔に山と道の夏目アキラに「山道で財布作らないの?」と聞いたら「ジップロックで良いよ、ULじゃん」と返ってきた。かっこいいぞw)作れなかった。使わないとアイデアや良いギミックは思い付かないしね。
とにかくULシーンで人気のあったアイテムに興味が無かったし、取り扱うアクセサリー類も無く、JMW webshopの売上はいつも不安定。目減りするキャッシュフロー。でもTシャツ刷るか、とかサコッシュ作ってみようかな、、とか全く考えなかった。使わない物は使わないし、作れない物は作れないのだ。自分が考えるかっこいい事をやり方で群雄割拠するガレージシーンで勝負したかった。

しかし、物作りを長く続けていくにはメイクマネーは大事。でもJMWは”マウンテンワークス”を名乗っている以上、小物アクセサリーは作らずリアルにアウトドアギアやバックパッキングギアだけで勝負しようと思っていた。それは今でも同じ(JMWの扱うアクセサリー類を見れば分かるよね?)。

大事なのはオリジナリティ。他がやっていない事をやる、ってのもULで学んだフロンティア精神だった。

(奥から、トークスのチタンのスキットル、パーセルトレンチ、マウンテンリサーチのヘラ絞りアナルコカップにイフユーハブのポンドカップのリッドの組み合わせ)

もし、JMWでクッカー製品を始めるなら焚火で使う事が前提なるのでアルミ一択だった。1番手っ取り早いのは軍隊払い下げみたいなアルミ製の丁度良いサイズ感のマグカップ、もしくはアルミ製でバックパッキングに持って行ける様な小型のパーコレーターを輸入しようと考えていた(小物のパーコレーターがあったら欲しくない?でもみんなドリッパーが大好きだからなぁ。今なら行けるかな?)
最初からオリジナルデザインのクッカーを作るならば、ただ販売するだけでなく、サックやツマミなどのオプションパーツに他社製品との組合せなども含めた、トータルでクッカーで遊ぶ、新しいジャンルの提案という、ULのカスタムから学んだ世界観のアイデアはあったし、ハンドルの無い、あのデザインも既に決まっていた。

しかし、いざ量産するとなると大変な事は分かっていた。既にロータスのアルミポットの事情やイフユーハブの山口君からポンドカップなどの苦労話を聞いていたから、もし、オリジナルの金属製品を販売するならば既存のやり方では難しい事も分かっていた。
ましてスタートしたばかりのJMWでは資金的にも時間的にも無理な事も分かっていた。
まぁ、それ以前に名入れチタンクッカーのMOQ(最小発注数)をオーダーできる程の資金も売り切るキャパシティもスタート当初のJMWにはなかったんだけどね。
そんなスタートだったけど、いつかはオリジナルのクッカーを含めた製品群は立上げ当初から準備していた。

そしてもう一つのプロダクトの企画も持っていた。3年前の立上げ当初から考えていたプロダクト。それが化繊インサレーションウェアだった。

つづく